旅は楽しむもの・・・

 

わたしの海外旅行は、大町市立図書館から始まります

もし行き先がアメリカならば、コロンブスが何のために船を出したのか、見つけたものは何だったのか。

その国の歴史や風俗や食事まで何でもかんでも目に入ってくるものを

図書館の本から吸収しようと読みまくります。

そんな中から、この国の<お土産はこれだ>と探し出すのも楽しみですよ。

カジノで勝負するならバカラがいいかな・・とか奥さんを案内するならここが喜ぶかな~とか。 本の中でもう何回かその国に旅行をしたかのように自分でも錯覚するほど

たくさんの本から大量の知識を拾い出すのです。

中国のときには横浜中華街の本まで読みましたよ。

そこに書いてあったのは料理人の皆さんがだれでも持っている薬の話でした。

私はそこの数行のところに感動したんです。というのも中華街の料理人の皆さんは一日中味見をしますからお腹の具合が今一のときは必ず飲む薬があるそうです。

それが「保済丸」なんです。(ポーツァイユンとかポーチャイピルと読みます)

風邪っぽいときも胃の痛い時もだるい時もなんでもかんでも「保済丸」だと書いてあったときに、

絶対にこの薬を買うための旅にしよう。と強く思いましたよ。

 

 

中国海南島のデパートでついにその時はやってきました。

3階の薬局でメモ用紙に「保済丸」と書いて店員さんに渡したところが、

大きくうなづいて、しばらくして小さな箱を持ってきました。

高さが7センチ角位で中にはプラスチックの小さな試験管みたいなものが20本入っていました。その試験管みたいな中には小さな丸くて赤黒い薬があるじゃないですか。

日本で云うと百草丸みたいに小さい薬なんです。

今日まで文字だけで資料の写真もなく、本で読む限りは中国人の料理人の常備薬だし

すごい薬だと思い続けてきたその本物に出会えた喜びは言葉に出来ないくらいうれしかったですよ。

あまりに喜んで足元を見られるといけないので落ち着いたふりをして「いくらですか」と店員さんに電卓を渡しました。

「えっ」その数字が理解できません。それは何と日本円で10円ぐらいなんです。

20本も入っている1箱の値段がですよ。驚きの価格です。

偽物が多い中国の事ですから大丈夫かな~?と心配しましたけれど、

デパートのしかもこんなに清潔感のあふれる薬局でそれはないだろうと思いながらも

わたしの口を衝いて出た言葉は、なんと

「あるだけ全部ちょうだい」

約50箱を紙袋に入れて静かにバスに乗り込みました。もちろん誰にも秘密ですよ。

その夜ホテルで宴会です。中国人のきれいなお姉さんがお酌をしてくれる中

ひたすら夜は更けて当然のごとくお酒もすすみましたよ。

みんなが酔っ払っていよいよ宴会もお開きとなり、さ~解散と云う時に

わたしは懐に持った「保済丸」のカプセルを皆さんに手渡して

「酒の飲みすぎや食あたりなどなんにでも効く中国4000年の漢方薬だから飲んでおいたほうがいいですよ。サーサー飲んで飲んで」

 

皆さんは一気にその薬を飲んでそれぞれのお部屋に帰っていきました。

 

 

翌朝、バイキングの朝食のテーブルに皆さんがやってきました。

どの顔もすがすがしい顔で夜はゆっくりと眠ることが出来たようです。

「昨日の夜の薬はなんていう薬なの?結構いいね」

「今日行くところで買うことが出来るかな」

「あの薬さー、いくらするの?高いんじゃないの」

おっと、朝から驚きの高評価です。

狭い島ですから昨日のデパートの「保済丸」は私が全部買い占めちゃったし、1カプセルが0.5円なんてことも言えないし弱っちゃいましたよ。

ま~その辺は黙ってニコニコして

「ちょっとなら買い置きがあるから欲しい時は言ってね」

そうそう、いつでも私は良い人です。 こころも広くやさしいひとですからね・・・・・・。

皆で朝食をいただいて「ごちそうさま」

 

 

部屋に帰ってから、コップにミネラルウォーターを満たして、

部屋の窓から中国の朝の雑踏を見下ろして、そしてゆっくりと「保済丸」の

細長いカプセルの頭のキャップをとりジャラジャラと細かい丸薬を口に入れ

コップの水とともに飲み干しました。

本で読んだ憧れの薬がいま初めてわたしの体に入った瞬間です

えっ、何かおかしいですか?

あ~昨日の夜、一緒の人たちに薬を勧めた時におまえは飲まなかったのかって?

ま~いいじゃないですか。旅はハプニングを楽しむものですから。

旅先で周りの人の様子を眺めるのも結構楽しいものですよ。

皆様も中国で何か勧められた時は本当に注意してくださいね。

あっ、最後に

アメリカ、ヨーロッパのお土産は胡椒を検討してみてください。

自分で使っても結構長い間楽しめますよ。また人にあげると長い間感謝され続けますしね。こんな辛いものを一度に食べてしまう人もそうはいないでしょうし、チョコレートをあげるよりコストパフォーマンスは高いですよ。

         

かつて中世の国々は、香辛料を得るために長い航海をして、さらには戦争までしたのが胡椒の歴史です。

人間のDNAに深く刻まれた味の歴史を、その国、その国の胡椒から楽しむのも旅の楽しみです。

自分が行く時ばかりでなく、旅行に行く人になにがしかの餞別を渡して胡椒を買ってきてもらってもいいんですよ。

と云う事で、皆様の旅が安全で楽しい旅になりますように祈っております。

 

大町市の本は少ないかもしれませんが、だからこそ貴重な情報を集めたあなたは

大町ファンクラブの一員です。大町市のホームページもありますし楽しいところですよ。

いらっしゃい、すぐにいらっしゃい。

 

 

わたしの今晩の機内食はソース焼きそば。白コショウが味の決め手。

高度は海抜787メートル。

キャビンアテンダントは57歳。大町市出身。

2人乗りのプライベートジェット機での夜間飛行。

寒気が押し寄せる中、長野県北部を超低空飛行で運行中です。

「アテンション、プリーズ」 「アテンション、プリーズ」

ジェットストリームのBGMにのせて、危険な香りがする夜間飛行になりそうです。

なお本機は明朝5時、R148に着陸予定です。

みなさんっ、それでは。

 

                                      熊蔵